労働条件・環境

2023年最低賃金 加重平均は1004円(4.47%)へ

2023年度の都道府県ごとの最低賃金額が
8月18日に出揃いました。

九州や東北、中国地方(Cランク)で大幅
な引き上げが目立ち、24県で中央最低賃金
審議会(厚生労働相の諮問機関)が示した
目安額を超えたとのこと。

当初、国が想定した1002円を上回り、全国
平均は1004円(4.47%)と、過去最大の引
き上げ額となったことは驚きでもある。

地方ほど人材の流出と人手不足が深刻で、
最低賃金を通じた賃上げの必要性が強まっ
ている。

上場企業の春闘での賃上げ率は3.91%。

賃上げ額、賃上げ率ともに、1993年(平成
5年)以来、30年ぶりの高水準だという。

中小企業を中心とした連合は、春闘で正社
員の賃上げ率は平均3・58%、これも30年
ぶりの高水準。

物価高、人手不足、世間相場も鑑みると高
水準の賃上げは納得感があるものの、経営
者から見ればいかがなものでしょうか。

賃金変化率と失業率との対応関係を示した
フィリップス曲線を眺めてみると、現状の
失業率から計算する賃金上昇率は、2.5%~
3.0%程度が妥当のように見える。

今般の賃上げが次年度以降も継続してなさ
れるのか、今後も注目して見ていきたい。

<フィリップス曲線>
賃金変化率と失業率との対応関係を示した
曲線。失業率が低下すると賃金は急速に上
昇し、逆に失業率が上昇すると賃金は比較
的緩やかに低下する。
1958年に英国の経済学者フィリップスが発表。

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