労働者派遣・請負

労使協定方式における賃金決定について

労使協定方式で重要になるのが、「厚生労働省が職種ごとに毎年定め
る賃金以上」という部分です。

具体的には、「基本給・賞与・手当等」部分、「通勤手当」部分、
「退職金」部分にわけて、派遣社員に支給すべき金額の基準を厚生労
働省が定めており、それ以上の賃金を派遣社員に支給することを労使
協定で定めることが義務付けられています。

この賃金とは派遣元から派遣社員に支払われる賃金の総額となりま
す。

●労使協定方式の場合に派遣元から派遣社員に支給すべき額

賃金の最低基準額 =「基本給・賞与・手当等」部分の基準額 +
「通勤手当」部分の基準額 +「退職金」部分の基準額

●「基本給・賞与・手当等」部分の基準額:

「職種別統計に基づく職種別の時給額の基準値」に「派遣社員の経
験年数」、「派遣先の所在地による賃金の地域差」を考慮して、
以下の計算式により計算する。

「基本給・賞与・手当等」部分の基準値
= <職種別の時給額の基準値 × 経験年数による調整指数> ×
賃金の地域差に応じた地域指数

なお、「職種別の時給額の基準値」は、下記の参考1又は参考2の基
準値を選択することができる。

「経験年数による調整指数」については下記の参照1に、
「賃金の地域差に応じた地域指数」は下記参照1にそれぞれ掲載され
ている。

参考1:平成30年賃金構造基本統計調査による職種別平均賃金(時
給換算)

参考2:職業安定業務統計の求人賃金を基準値とした一般基本給・
賞与等の額(時給換算)

参考3:平成30年度職業安定業務統計による地域指数

●「通勤手当」部分の基準値

派遣社員に派遣先への通勤に必要な交通費実費を支給する方法の
他、通勤手当分として1時間あたり72円を支給する方法などが選択
できる。

●「退職金」部分の基準値

派遣会社として派遣社員に適用する退職金制度を設ける方法の他、
「基本給・賞与・手当等」部分の基準値の6パーセントを「退職
金部分」として支給する方法などを選択できる。

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