改正派遣法において、「努力義務」であったものが
「配慮義務」と置き換えられているものが存在します。
この両者の相違はどこにあるのでしょうか?
「努力義務」とは、義務の履行は当事者の協力・判断
に委ねられ、努力をしていれば指導・助言・罰則等の
適用対象にはらないのです。
つまり、努力をしていることが重要であり、それに
対する結果は問われないということです。
「配慮義務」とは、義務の履行のため当事者は何ら
かの措置、対応を講じることが求められ、措置・対応
を講じていなければ、指導・助言・罰則等の適用対象
となるのです。
配慮義務 > 努力義務
となることがわかります。
【キャリアアップ関係】
1.派遣元から要請があった場合の業務遂行に密接に
関連した教育訓練の実施(配慮義務)
【均等待遇関係】
2.一定の福利厚生施設の利用機会の提供(配慮義務)
3.賃金等に関する派遣元への情報提供(配慮義務)
3.の賃金等に関しては、以下のことが注目される点と
なります。
派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者から求め
があったときは、
第30条の3(均衡を考慮した待遇の確保)の規定により
配慮すべきこととされている事項(=賃金決定等)に
関する決定をするにあたって考慮した事項について、
当該派遣労働者に説明しなければならない、
とされています。
このことから「賃金決定」に関しては、「説明義務」を
負うことになります。
派遣労働者から賃金の決定に関してどのように決定を
したのか説明を求められた場合、単に
派遣料金から一定のマージンを差し引いた金額である
と説明するだけでは足りないことになります。
派遣先の同種の業務に従事する、一般の労働者の
賃金水準、職務の内容、職務の成果、意欲、能力、
経験等を踏まえて説明しなければならないことと
なっているのです。