教科書的な観点では褒めなさいと教えています。
その根拠は承認欲求を満たす必要があり、承認欲求を
満たしてやらないと、人は信用残高が不足して問題行動
(気を引くための行動やモチベーションダウンになる)こと
から、褒めて褒めて伸ばしなさいと言っております。
ある意味この「褒める」という行為は正しいでしょう。
しかし、褒める理由もないのに褒める必要があるのでしょ
うか?
そして、褒めなければ人は成長しないのか。
そもそも大人なのに、この者達は褒めなければ成長しない
のかと思うと、
「何を甘えたことを」と思ってしまう方々がいても仕方ないと
思います。
このように思う方は何をすればいいのかと申しますと、
まず、「挨拶」をしましょう、ということです。
これはなぜかというと、先述の承認欲求を満たされずに信
用残高が減少する理由の一つに挨拶が挙げられます。
この挨拶は単におざなりな「挨拶」ではなく、ちゃんと目を
見て可能であれば名前付きで「挨拶」すべきだということ
です。
○○君、おはよう。○○さんありがとう、と。
加えて挨拶には、ねぎらいの言葉もあるでしょう。
報告に対してご苦労さん。
ありがとう。悪い悪い、助かったよ、等々。
これらの名前付きの「挨拶」で効果十分です。
加えて、笑顔で元気に「挨拶」してください、これで十分です。
●教科書と逆行する「褒めない」ということ
二つ目は、余程のことがない限り褒めない、ということです。
教科書と真逆のことかもしれませんが、褒める必要は、真に
褒める必要がある時だけだということです。
そうしなければ、褒める事に対して価値が下がってしまいます。
また、褒めなければ成長しない・モチベーションが上がらない
人は、成長していただく必要があると思います。
我々は仕事をして、その対価を支払っているのです。
しかし、仕事である以上は、その対価を支払っておりますし、
時には対価以上のものを支払わされている時もあります。
加えて、褒められることが習慣付いてしまうと、それが目的化
してしまい、自分で善悪やより最善を尽くそうとせずに、単に
上司に気に入られることだけに終始してしまいます。
これでは、その会社の戦力として成長していると言えるでしょ
うか?
褒める必要のないことまで、口を開けば褒めるばっかりとは、
机上の空論・学問の理想論で留まる話だと考えます。
つまり、褒める必要は真に必要な時だけ。
ただし、挨拶や労いは人として当然の範囲で行いましょう。
笑顔で顔を見て名前を付してすれば結構です。
それにより、職場の雰囲気も明るく活気付きますし、各人の
承認欲求も満たされます。
そして、滅多にない褒められることがあった時、これにより
各人のモチベーションは維持向上されると考えております。
給料を払っているといっても、従業員も心のある人間です。
従業員のモチベーションを左右するのは個々の労働者よりも
経営者や管理者の従業員に対するスタンスに拠るところが多い
ことを認識したいものですね。