労働・残業問題

ギグワーカーの保護性について

ギグワーカーは、一般的には発注者との個別の業務委託契約に基づき、単発業務の受託者として、発注者から独立して仕事の遂行を担う立場として整理されてきました。

ところが、「独立」という言葉とは裏腹に、実際には、以下のような状況に置かれているギグワーカーが存在することも事実です。

ギグワーカーの現状と課題

・いつも同じ発注者から仕事を請けて報酬を得ている

・発注を受ける立場として相対的に交渉力が弱い

・契約書に具体的な業務内容での記載のない状態で業務を実施

・1つの仕事に長時間拘束される

・労働環境が整備されない安全衛生の不十分な環境で働く

・会社の従業員のようなふるまいを要求される

このような、およそ「独立」という響きからはほど遠いギグワーカー達であっても、職安法上の「労働者」の要件となる人的従属性や指揮命令関係を満たさないような運用の下で働いています。

そのため、企業に勤務する会社員、すなわち労基法上の「労働者」のように各種労働法制上の保護を受けることはありません。

厚生労働省の取り組み

このように労働上のリスクを負っているギグワーカーが、インターネットを介したシェアリングエコノミーの担い手として、そして2018年の働き方改革関連法案成立による各種労働法の保護強化の影響を受けた企業のコスト削減手段として、「労働者」に代替する源として活用されているという背景から、厚生労働省は、ギグワーカーの労務リスクに対処するための法的な保護を整備すべく政策上の議論を進めています。

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