くらし・経済

2021年の労働経済の推移と特徴(キャリア形成編)

主体的な転職やキャリアチェンジの促進において重要な要因

転職希望者について、正社員や中堅の役職者では転職活動への移行や転職の実現がしにくい傾向がある。
一方、転職希望者について、自己啓発を行っている場合や、キャリアの見通しができている場合は転職活動への移行がしやすく、特に正社員や中堅の役職者でキャリアの見通しができていると転職の実現がしやすい傾向がある。

キャリアチェンジ(職種間移動)をする場合、能力活用、仕事内容への満足、賃金が高いといった積極的な理由の場合に転職後の満足度は高くなりやすい。
キャリアの見通しや自己啓発が転職後の能力活用や仕事の満足度の向上を通じて賃金の増加にもつながる可能性。

主体的なキャリア形成に向けた課題

キャリアコンサルティングや自己啓発の促進

キャリアコンサルティングや自己啓発により労働者の主体的なキャリア形成意識を高めることで、転職の有無に関わらず、目的意識を持って日々の業務等に取り組むことにつながり、企業や社会全体の生産性の向上が期待できる。

キャリアコンサルティングを受けた者は、キャリア設計において主体性が高い者が多く、幅広い分野でキャリアを形成している傾向。

労働者が自己啓発について抱えている課題は、時間が取れない、費用がかかるといったものが多い。
企業が費用面での支援や就業時間の配慮等を行っている場合、自己啓発を行っている社員の割合が高い傾向がある。

公共職業訓練の効果と課題

公共職業訓練の受講により再就職しやすくなる効果が認められるとともに、介護・医療・福祉分野の訓練では、他分野からの労働移動を促進する効果がある可能性。

介護・福祉分野の訓練では介護・福祉職と類似性が低い職種の経験者も含め、幅広く受講者を募ることが有効である可能性。

IT分野の訓練では、女性の受講者は事務職に就職する傾向が強く、情報技術者に就職しにくい傾向があり、女性の情報技術者への就職を更に促進するためには、女性の情報技術者への就職に対する関心を高める必要性。

さいごに

会社が教育訓練を行ってくれないとすると、自主的に独学するなど市場価値を高める活動を取り組くことが肝要。

自己啓発を実施しているか否かかによって市場価値が異なってくることが厚労省の白書からも読み取れます。

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