労使協定方式における「公正な評価制度」の実現
労使協定方式を選択している派遣元においては、「公正な評価制度」を実現しなければなりません。
つまり、「一般労働者の平均的な賃金の額と同等以上の賃金額」という要件を満たすために、労使協定方式では、毎年公開される「賃金構造基本統計調査」や「職業安定業務統計」などの統計数値を用いて賃金テーブルを作成しなければなりません。
評価制度の基本要件について
労使協定方式において派遣元企業が押さえておきたいのが、派遣労働者の評価制度です。
労使協定方式の要件に関しては、以下のように評価制度に関する規定が定められている。
- 派遣労働者の職務の内容、成果、意欲、能力又は経験等の向上があった場合に、通勤手当等を除く職務の内容に密接に関連して支払われる賃金が改善されること
- 派遣労働者の職務の内容、成果、意欲、能力又は経験等を公正に評価して賃金を決定すること
このように、正規雇用の労働者と同様に派遣労働者に対しても評価に応じて賃金の改定が求められています。
厚労省の労使協定のイメージ
基本給の決定は、半期ごとに行う勤務評価を活用する。勤務評価の方法は社員就業規則第○条に定める方法を準用し、その評価結果に基づき、第4条第2項の昇給の範囲を決定する。
2 賞与の決定は、半期ごとに行う勤務評価を活用する。勤務評価の方法は社員就業規則第○条に定める方法を準用し、その評価結果に基づき、別表2の備考1のとおり、賞与額を決定する
派遣元は、1年間に1回は派遣社員の評価を行い、その能力などの向上により料金の見直しを行うよう定められています。しかし派遣元が実際のスキル向上などを直接判断することが難しいため、派遣先に協力を求めることがあっても不思議ではありません。
さいごに
派遣元においては「人事考課表」「勤務評価シート」といった査定表を作成し、1年に1回は面談を行い、賃金の改定作業を行っていかねばなりません。