ここ最近は、アベノミクスの効果が影響してか、企業の業績が
回復するに相俟って急激に求人件数が上昇しております。
そしてこの傾向は全国的な様相を見せているようです。
都市部では確実に売り手市場になりつつあります。
顧問先様の声も、人が集まらない、入社してもすぐに辞めて
いく、処遇や仕事の内容に不満があるとあっという間に転職
する、と多く聞きます。
応募者は60歳オーバーばかりという惨状です。
報道を見ましても、ついには人手不足倒産の記事もでて、笑い
事ではない状態に直面しているのも現実です。
さて、そんなニュースを齧ってばかりいても始まりません。
ここからが本題です。
我々は長い間、デフレ経済下で過ごしてきていたため、買い手
市場の状態に慣れ過ぎ、従業員に対して多少の無理を言って
も辞められることはなく、厳しい労働条件を提示しても求職者は
集まってきたものです。
それが当たり前のようになっていました。
しかしながら、このように売り手市場になりますと、労働条件が
悪い、労働法軽視の企業はたちまち敬遠されるか、
『出るところに出て』争うことになります
(労働者にとっては、居辛くなっても次に行くところがあるから、
心置きなく訴えられる)。
●給料を上げれば採用できるのか
では、給料をあげれば良いのか?というと、決してそうではあり
ません。
現に、都内の都心部における某牛丼チェーン店や居酒屋チェー
ン店では、時給1,500~1,700円を提示しても慢性的な人手
不足です。
つまり、この両店に共通しているのは『ブラック企業』とレッテルを
貼られており、給料よりも労働条件を重視している証左でもあり
ます。
もともと、給料とは「衛生要因」と言って、意欲向上には結びつか
ないものと経営の学問を齧った方は誰しもご存じであると思いま
すが、そうなのです。
給料を高めても、それにより一瞬は喜ぶでしょうが、決してモチ
ベーションは上がらないのです。
人のモチベーションを上げるには、やはり「承認欲求」満たす、
つまりやりがいを感じさせること。そしてやりがいを感じさせるには
経営者が労働者に関心を持ち、
・褒める
・労う
・評価する
・アドバイスしてやる等
「構ってやる」ことが大切なのです。
「大の大人を子供みたいに構う必要があるのか?」と仰る方も
おられるでしょうが、そうしてください。
と、ここまでが所謂教科書的な答えとなりますが、必ず褒めるこ
とが良いのでしょうか?