従業員が逮捕 逮捕容疑だけで解雇はあかん!!
の続編となっております。
●できる限り情報を集める
確認すべき事項としては、
1.逮捕された日付(現行犯逮捕か否か)
2.罪名
3.被疑事実の内容(具体的に何をしたとして逮捕されたのか、単独犯か共犯者がいるか)
4.被害(被害者は誰か、被害金額、被害者との示談の見込みの有無等)
5.従業員本人は罪を認めているか否か
6.出処進退、有給取得等に関する従業員本人の希望
7.検察官による終局処分等の事件の見通し
といった点を確認する必要があります。
もし有休取得の申請があれば、有休扱いにするのが原則です。
有休を認めずに欠勤扱いとすると、欠勤を理由とした解雇等の処分が
無効となるリスクが生じるからです。
これらの情報は、一般的には、
1.本人
2.警察官・検察官
3.親族
4.弁護人など
から確認することになります。
そして、聞き取った内容は正確に記録に残します。
●起訴休職制度
起訴休職制度(労働者が何らかの犯罪で起訴された場合に、従業員を
休職させる制度)がある会社でも、起訴された事実だけで形式的に
起訴休職の規定の適用が認められるとは限りません。
休職命令が無効と判断されることもあります。
なので、休職命令を出す際には、その必要性・相当性について検討して
からにしましょう。
ところで、起訴休職制度を設けた場合には、有罪判決が確定するまで
解雇することができないと解釈されるおそれがあります。
よって、起訴休職制度は設けずに個別に対応するという選択肢も
あり得るでしょう。
●懲戒処分
会社の社会的評価に重大な悪影響を与えるような行為であれば、
私生活上の行為であっても従業員を懲戒処分に処することができます。
例えば、従業員の行為が社会的に非常に悪質なことが明らかな場合、
スピード感を持って処分をすることが企業の社会的評価という面で
有効な場合もあり得ます。
しかし、解雇のように退職となる懲戒処分は紛争になりやすく、
裁判でも厳格に判断される傾向にあります。
よって、軽い処分にとどめて、職場への居づらさなどから従業員の
自主退職を待つような企業もあるようです。