喫煙者を採用しない方針については、企業の採用基準に関する「採用の自由」として認められる場合があります。以下に、喫煙者の採用に関する法的な側面をまとめました。
喫煙の自由と制約
喫煙の自由は憲法13条で保障される基本的人権の一つとされていますが、あらゆる時、場所で保障されるものではありません。最高裁の判例(昭45.9.16判決)でも、一定の制約があり得ることが示されています。
受動喫煙の防止
受動喫煙による健康被害の恐れがあるため、平成27年6月1日より、事業者は労働者の受動喫煙を防止するための適切な措置を講ずる努力義務が課されています(労働安全衛生法第68条の2)。
採用の自由
企業には、法令に反しない限り、採用基準等に関する「採用の自由」が広く認められています。最高裁の判例(三菱樹脂事件最高裁大法廷 昭48.12.12判決)でも、特定の思想・信条を理由に採用しないことが違法とされない場合があるとされています。
喫煙者の採用に関する方針
社会情勢を踏まえても、不当な動機がない限り、喫煙者を採用対象から除外すること自体は違法とはいえません。企業が採用選考において「喫煙者を採用しない」方針を明らかにすることは、採用の自由として認められる場合があります。