最近は景気回復に伴う人事制度改定ニーズが急速に
高まってきており、「社員が安心して働ける環境を作りたい」
であるとか、「社員の貢献度にしっかり報いる賃金制度を
構築したい」といった前向きな相談が多くなっています。
しかし、一方では相変わらず、一定確率で労働トラブルの
相談にも対応している状況は続いています。
社会全体を見るといわゆるブラック企業も多く、労働者が
辛い境遇に置かれていることも少なくありません。
報道系のTVでは、そんなブラック企業に戦いを挑む若者
の姿が取り上げられていました。
取り上げられていたのは、労働契約法「無期転換ルール」
の煽りを受けて雇い止めされたカフェチェーンの従業員、
過重労働で適応障害となり、IT企業を解雇された女性
従業員、警備会社で最低賃金未満の賃金しか受け取って
いなかった男性従業員といったケースでしたが、その発言
をピックアップすると以下のようなものが見られました。
「単に未払い残業代を請求したいのではなく、会社に奪わ
れた自信、自尊心を取り戻したい」
「社員をモノ扱いするのではなく、ヒトとして扱って欲しい」
「ただの被害者で終わらず、社会に働きかけて行きたい」
このように彼女たちに共通して見られたのは、従業員を
使い捨てにするような会社の不誠実な対応に対する不満
であり、そこで傷付けられた自らの尊厳の回復を求める
想いでした。
つまり、深刻な労働トラブルは、企業側の不用意な発言や
人材を使い捨てにするような態度が招いていると考えなけ
ればなりません。