労働・残業問題

残業代を支払っていても送検 時間外労働にはご注意を

2015年7月には「かとく」摘発の第一号案件としてABCマートを書類送検されたことは記憶に新しいことと思います。

●特別条項付き36協定とは

そもそも特別条項付き36協定とは、例えば、季節性のある業務内容の会社では、繁忙期において、36協定で定める限度時間を大幅に超えてしまうのが現実となってしまいます。

このように特別な事情により、どうしても、36協定の限度時間を超えて労働させることが必要な場合「特別条項付き36協定」を締結して届出ることにより、一定の期間について、36協定の限度時間を延長して労働させることができるというものになります。

ただし、この取り扱いは、あくまでも臨時的(一時的、突発的)に認められるものですので、36協定の限度時間を延長できる月数は、年間で6ヶ月までと決められています。

恒常的に(年間で6ヶ月以上)36協定の限度時間を超える取り扱いはできません。

●時間外労働を常態化させない

前々年に定期監督で立ち入った際にタイムカードの勤務記録から特別条項違反が判明したもので、過去複数回にわたり是正勧告を行うなど、再三指導してきた経緯から司法処分に労基署は踏切った模様です。

急な仕事の受注や納期の変更などにより長時間労働となる場合があり、「月100時間を超える過重労働が常態化していた(同労基署)」という。

なお、割増賃金に関しては法定の割増率で適正に支払われていました。

会社側は賃金や労働時間に関しては、対行政・世論となった場合、通常の感覚とは異なるということを理解していただきたく思います。

受注や納期の変更というような一般ではやむを得ない事情だと思える事情はあったのでしょうが、最初に是正勧告があった時にこういう結果になりうる可能性があることを視野にいれて対応していれば、おのずと結果は違っていたと考えられます。

残業時間が多い事業所では、くれぐれも注意してくださいね。

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