最低賃金の決定要因
最低賃金が決定しました。
地域ごとの要因もあることから、全国一律の統一賃金にはならないということも理解できます。
最低賃金の決定にあたっては、3つの要素が絡み合って決定されるものとされており、3要素とは次のようになっている。
- 生計費
- 賃金
- 企業側の支払い能力
生計費とは?
この「生計費」なるものは、余り聞く機会もないでしょうが、最低賃金以外にも生活保護費にも利用されているのです。
生計費(せいけいひ)は、基本的な生活費用や家計に必要な経費を指します。
これは個人または家族が日常生活を維持するために支出しなければならない費用で、以下のような要因で構成されることがあります。
食事:食料品購入、外食、飲料などにかかる費用
住居:家賃、住宅ローンの返済、光熱費(電気、ガス、水道代)、住居の修繕など
交通:通勤・通学にかかる費用(交通機関の料金、ガソリン代、車の保険、駐車場代)
教育:子供の学費、教材、学習支援など
医療:医療費、薬代、健康保険料
衣類:衣服、靴、洗濯用品など
娯楽:映画、レジャー、趣味、休暇など。
貯金:緊急時の備えや将来への投資のための貯金
保険:健康保険、自動車保険、住宅保険、生命保険などの保険料
税金:所得税、地方税、消費税、固定資産税など
生計費の重要性
生計費は、個人や家族の生活水準を維持し、基本的な生活必需品を購入し、経済的な安定を保つために必要な金額を示します。
生計費の計算は地域や国によって異なり、生活コストや経済状況に合わせて調整されます。
生計費は最低賃金の決定や生活保護費の決定において重要な役割を果たします。
最低賃金と生活保護費の決定
最低賃金の決定については、労働者が基本的な生計費を賄うために必要な最低賃金水準を確保することを目的としています。
政府や各労働局は、地域ごとに最低賃金を設定し、生計費を考慮に入れて決定します。
これにより、労働者が最低限の生活水準を維持できるようになり、貧困の軽減が図られます。
生活保護費の決定については、生計費を賄う能力がない個人や家族に対して提供される社会福祉プログラムです。
生計費が収入や資産を基に計算され、生活保護費の決定に影響を与えます。
生計費の計算と社会政策
受給者の生計費が必要な支援を受けるための基準となります。
生計費の計算と考慮は、個人や家族の基本的な生活を確保し、社会的な公平性を維持するために非常に重要です。
社会政策や法律において、生計費は最低賃金や社会福祉プログラムの設計において中心的な役割を果たしています。
生計費について(総務省より引用)