●組織としての歩合制
歩合給を導入すると売上が上がるのでしょうか?
利益が出るのでしょうか?
企業とは色々な役割の社員が集まっています。営業、営業
事務、配送、経理等々、一つ欠けても企業として機能しま
せん。
営業という職種でも同じです。
飛び込み営業が得意な人、常連さんのフォローが得意な人、
商品を売ることが得意な人、生産性の低い修理をコツコツと
やる人。
この中で誰が一番偉いとは決められません。
これが組織であり、共同作業なのです。
歩合制を導入することにより、歩合率の高い商品を勧めた
結果、修理のお客様に対する接客がおろそかになってしまい、
リピーターが減ってしまった…。
この様な事態が生じてしまいかねません。
●歩合制により短期的な視点で物事を考えるようになってしまう
歩合制は「今月の売上を上げる!!」というケースは有効かも
知れません。
しかし、今後も継続的に売上を上げるという観点では駄目なの
です。
継続的に売上を上げるには「リピーター」は大事ですし、
「種まき営業」も大切です。
歩合制度は売上や利益により賃金が決まるわけですから、
「リピーターに繋がる生産性の低い営業」や「種まき営業」を
敬遠したがる雰囲気になってしまいます。
また、企業が継続的に利益を出すためには「人材育成」が欠か
せません。
歩合制には「人材育成」という観点を組み込むことが非常に難し
いのです。
自分の歩合を稼ぐ時間と労力を他人の為に割くわけですから、
従業員に人材育成の観点を持ってもらうということは至難の業
なのです。