くらし・経済

2025年 年金改正法成立 多様な働き方と公平性を目指す新時代の年金制度

2025年6月13日、「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律案」が、第217回通常国会で可決・成立しました。今回の改正は、現代の多様化する働き方や家族のあり方に対応し、年金制度の持続性と公平性を一段と高めることを狙いとしています。

年金制度が直面する課題とは

日本の年金制度は、急速な少子高齢化、平均寿命の延び、そして非正規雇用や副業など働き方の多様化といった社会の変化に直面しています。中でも、「年収の壁」や、就労意欲があっても制度がそれを妨げる構造的な問題は長らく課題となってきました。今回の改正は、こうした状況に対する制度的な対応といえます。

改正の主なポイント

 在職老齢年金制度の見直し

2026年4月から、65歳以上の在職老齢年金制度における支給停止の基準額が、月額50万円から62万円に引き上げられます。これにより、働く意欲のある高齢者の就業継続が促進されることが期待されています。

 遺族厚生年金の制度見直し

現行の遺族厚生年金制度では、子どもの有無などで配偶者間に給付の差がありましたが、今回の改正ではより公平性を重視した設計が検討されました。

 「年収の壁」対策

特にパートタイム労働者などに影響の大きい「年収の壁」問題についても、働き控えを抑制するための具体的措置が盛り込まれ、多様な働き方を支える制度づくりが進められます。

 基礎年金の底上げは将来へ

期待されていた基礎年金の底上げについては、今回の改正では見送りとなり、5年後に再検討する旨が明記されました。政治的な判断の難しさがにじむ内容とも言えます。

施行のスケジュール

これらの改正内容の多くは、2026年4月1日からの施行が予定されています。ただし、一部については段階的に導入されたり、さらなる検討を経て実施時期が決まる見込みです。

今回の制度改正が持つ意義

働き方の多様化を支える

今回の改正では、高齢者やパートタイム労働者といった多様な働き方に対応する仕組みが整えられました。これにより、就業機会が広がり、慢性的な人手不足の緩和にも貢献することが期待されます。

制度の持続性を高める

高齢者がより長く働くことを可能にする制度設計は、年金制度を支える側の拡充にもつながります。結果として、制度全体の持続性向上にもつながるでしょう。

公平性の確保へ

家族構成や働き方に応じた制度見直しが行われたことで、年金制度の公平性も一歩前進したと言えます。

今後に残された課題

一方で、解決すべき課題は少なくありません。たとえば、就職氷河期世代の低年金問題の根本的な対応となるはずだった基礎年金の底上げは先送りに。さらに、マクロ経済スライドの名目下限措置撤廃や、年金支給開始年齢の見直しといった根幹部分には手がつけられていません。財政の健全化と社会保障の両立という、難しい課題が改めて浮き彫りになっています。

まとめと私たちのこれから

今回の年金制度改正は、少なくとも部分的には時代の要請に応えた前進と評価できます。在職老齢年金の見直しや年収の壁対策など、働く意欲のある人にとっては好意的に受け止められる内容も含まれています。

しかし、その一方で、構造的な課題の多くは依然として手つかずのまま残されています。政治的配慮や与野党の力関係も影響してか、抜本的な改革には至りませんでした。

国民にとって年金制度は、将来の生活の柱となる極めて重要な仕組みです。今回の改正内容を正しく理解し、自らの働き方やライフプランに活かすとともに、制度の今後の方向性についても主体的に関心を持ち続けることが求められます。

より公正で持続可能な制度へ向けて、次の改正では、より一歩踏み込んだ議論が行われることを期待したいところです。

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