労働者派遣・請負

判例から見る請負か準委任か 問題となった事例

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請負化を進めたり、検討をしている企業も多くみられるように
なってきました。

請負か準委任で係争になった事例を参照し、検討してみたいと
思います。

(参考:東京地方裁判所 平成3年2月22日判決)

●プログラム開発は請負か準委任か

【事例の概要】

受託者は委託者から、ある大規模な通信システムの一部に使う
プログラムの開発を委託され、契約を結んだ。

ところが、開発は大幅に遅れ、結局は開発不能が確定した。

そのため、委託者は受託者の債務不履行を理由に本件契約を解除し、
開発費を支払わなかった。

そこで、受託者は訴訟を提起し、本件プログラム開発委託契約は
準委任契約であると主張して、作業を行った分の報酬を請求した。

・原告:ソフトウェア開発会社(受託者)

・被告:ソフトウェア開発会社(委託者)

【請求金額】

原告請求:ソフトウェア代金請求(訴額 698万円)

被告請求:前払金返還請求(訴額 425万円)

【争点】

1.本件契約の類型は、請負か、準委任か

2.何れかの契約に該当するかによって請求金額が異なる

<受託者の主張>

本件契約は準委任契約であるから、受託者はプログラムを完成させる
義務を負っておらず、プログラムが未完成であっても、
作業した分についての報酬を得る権利がある。

<委託者の主張>

本件契約は請負契約であるから、受託者にはプログラムを完成させる
義務があった。
プログラムを完成させていない受託者には、報酬を求める権利はない。

【判決】

受託者の請求棄却、委託者の請求認容(前払金425万円全額の返還)。

1.受託者作成の開発工程表には、受託者がプログラムを完成させる
ことを前提に、完成までのスケジュールが記載されていること、

2.プログラムの規模・内容も受託者が完成可能なものであること、
などから本件契約は請負契約であると認定された。

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