同一労働同一賃金ガイドラインの趣旨
「正社員の待遇を下げて、非正規の社員との待遇差をなくせばいい」と考えている方がいます。
この考え方については、「同一労働同一賃金ガイドライン(短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者に対する不合理な待遇の禁止等に関する指針)」において、そのような考え方に否定されています。
同ガイドラインでは、「同一労働同一賃金実現のために労使で合意することなく正社員の待遇を引き下げることは、望ましい対応とはいえない」と明記されています。
もちろん、労働条件の変更について、労使で合意すれば、違法性はありませんが、そのような考え方自体が、同一労働同一賃金の趣旨に反するものといえます。
今後、規制が厳しくなることも踏まえて、正社員の待遇を下げるという考え方は捨てたほうがいいでしょう。
労働条件は本来、私的自治の原則、契約自由の原則によって企業自治で会社ごとに決めればいいと思っています。
契約社員やパート社員を当該処遇で雇う理由があると考えていますが、大きなトラブルに発展することもしばしばです。
「できない約束」をしない
この労働トラブルが発生する主たる原因が「できない約束をしてしまうこと」のようです。
「約束」をするときは、本当に守ることができる約束なのか、「約束」をすることで、誰かに不利益が及ばないかよく検討しなければなりません。
また法改正があるから待遇を改善しなければならない、これだけでは人は理解できないでしょう。
待遇改善することとなった経緯を企業側から説明責任を果たし、今まで以上に業務に専念して欲しい、といった言葉を投げかけ相互の「約束」ができればと思います。