退職勧奨とは、会社から本人に「辞めた方が良いのではないか?」と退職するよう勧めることを言います。
従業員がこれに応じると、合意による「退職」となり、「解雇」には該当しないとされますので、解雇に関するトラブルを防止できるメリットがあります。
特定の従業員に会社を辞めてもらいたいときに、解雇ではなく、退職勧奨をして会社を辞めてもらう方法となります。
●会社側の意図
このような方法を取るのは、解雇となると解雇の合理性を巡って様々なトラブルに発展するケースがあるので、退職勧奨し、従業員に納得してもらった上で円満に辞めてもらいたいといった意図が会社側にはあるからです。
退職勧奨は解雇とは違い、従業員側に退職勧奨に応じるか応じないかの選択権があります。
しかし、退職勧奨に応じなければ、解雇となる場合があります。
解雇されないまでも、今までと同じような処遇・環境で働けるケースは少ないでしょう。
よって、退職勧奨をされた従業員は退職を拒む権利があっても、現実には、退職を余儀なくされる場合が往々にしてあるのです。
私がこれまで見てきた中で、会社が期待しているだけのパフォーマンスが出せない人は、肩身が狭く居心地が悪くなって、プライドから自らの退職を正当化して辞めていくのが、一般的な姿でした。
人には適材適所があるので、自分にあった職場を他に探すことはいいことだと思っているのですが、実際には、退職勧奨されても、
・自分には何も非がない
・退職勧奨には納得いかない
と思っている従業員が多いため、退職勧奨も一筋縄ではいかないのが現状のようです。