新入社員が入ってくる季節になりました。
新入社員に限らず、社員教育とはどのような考え方で進めるべきなのでしょうか。
個人能力差をどのように考えるのか?
人間の成長する能力は個人により違います。
例えば即戦力の社員。
即戦力社員は階段の一段目が高い社員。
じっくりと教育していかなければならない社員は、階段の一段目が低い社員ですよね。
問題は「階段の二段目の設定」です。
入社時の能力は何となくわかります。
この社員を成長させるためにはどうするのか?
階段の設定をしっかりしなければ成長できません。
目標設定の問題ともいえます。
一段目の階段が高くても二段目以降は低い社員もいます。
逆に一段目の階段が低くても、二段目以降の階段が
高く、即戦力だった社員を追い抜いていくことも
現実としてあります。
階段の高さを適正なものにしていくことが社員教育
にとって重要なのです。
階段の高さが高すぎても昇れませんし、低すぎれば
潜在能力を引き出せません。
●階段の一段目
私は、入社時の能力を階段の一段目と表現することとします。
人によって当然高さは違います。
まず入社してから「階段の高さ」の把握をしっかりと行わなければ今後の教育が適正にできません。
私が皆さんに「新入社員教育を頑張ってください」とお伝えしても、皆さんは何を頑張ったらいいのかわからないですよね。
新入社員も同じです。
何を頑張るのか明確でなければ、好き勝手に頑張ってしまいます。
例えば、保育園では、新入社員は「安全」を物差しに教育します。
保育園や幼稚園、小学校には親として教育面の充実を求めてしまいますが、それは安全が確保されているという前提です。
ですから幼稚園や保育園などの学校では、「安全な保育と教育を行える環境」がすべてのスタートなのです。
新入社員にはこの環境を整えられる保育や教育を行えるようになって初めて、充実した保育や教育を目指してもらわなければなりません。
いわゆる「基礎教育」です。
外食産業は、食中毒を出さないことはもとより、お客様に不衛生であると絶対に思われない環境作り。
建設業や製造業は事故が起きないような自己管理や整理整頓といった環境の整備が必要です。
忙しい時に、作業手順を誤ったり、省略することで大きなトラブルが生じたり、事故につながったりしてしまいます。
忙しいときでも一定水準のサービスを提供できる社員になってもらうことがまず重要なのです。
このように、いい商品、いいサービスを提供する前提は、お客様が「出来て当たり前」と思っていることを、どんなに忙しくてもやり続けることなのです。
不衛生だと一度感じてしまったら、どんなに美味しい料理でもお客様は満足しませんよね。
階段の一段目を把握して、そしてそれぞれの企業の「お客様が出来て当たり前と思っていること」をまず出来るようになる。
これが階段の二段目の設定だと思います。