青山学院大学駅伝部の一風変わったスカウト方法についてです。
バラエティー番組に大学駅伝部の監督は殆ど登場しません。
余り余計なことを喋ってしまうと、他校強豪校に情報が漏れてしまうとか、そもそもTV出演自体が快く思わないといった理由からか、バラエティーではお目にかかりません。
しかし、同校原監督は知る人ぞ知る有名人でもあり、メディアにも度々出演します。
そこで本人が監督に就任した際に、スカウト方法を従来のものと変わった方針にしたのです。
その一風変わったスカウト術を紹介します。
原監督のスカウト術の特徴
「男前」の基準:自己表現力重視
原監督が重視するのは、いわゆる外見的な「イケメン」ではなく、「自己表現」が豊かな人材です。
自己表現が豊かな人材は、他者や自己を分析する力が高く、観察力やコミュニケーション力にも優れています。
無名選手へのアプローチ
有名選手にこだわらず、高校時代に記録が振るわなかった選手にも目を向けています。
これにより、「ポテンシャルを引き出す」というチームづくりの基盤が形成されました。
選手の自主性を尊重
過剰な指示を与えず、選手の自己管理能力や主体性に委ねることで、選手自身がモチベーションを持って取り組める環境を整備しています。
目標設定の現実性
選手には、実力以上の非現実的な目標を設定させることを避け、身の丈に合った現実的な目標を持たせています。
これにより、選手が達成感を得られ、モチベーションが向上します。
社内での活用方法
採用基準の見直し
学歴や実績だけでなく、「自己表現力」や「観察力」、「自己分析力」に着目した採用基準を設ける。
面接時に、応募者の自己表現や考え方を深掘りする質問を取り入れる。
社員の潜在能力の発掘
既存の評価基準に囚われず、社内で埋もれている潜在能力の高い社員を発掘し、適切なポジションやプロジェクトを提供する。
自主性を重視したマネジメント
過剰な管理や指示ではなく、個々の社員の自主性や主体性を尊重し、自己管理を促すマネジメント手法を採用する。
「任せる文化」を醸成することで、社員の能力を最大限引き出す。
現実的で達成可能な目標設定
非現実的なノルマやプレッシャーを与えるのではなく、社員個々の能力や状況に応じた目標設定を行う。
達成可能な目標を積み重ねることで、成功体験を得させ、モチベーションを持続させる。
個々の強みを生かすチームづくり
異なる背景やスキルを持つ社員を適切に組み合わせ、チームの相乗効果を発揮させる組織運営を目指す。
まとめ
原監督のスカウト術やモチベーション向上の手法は、個々の能力を尊重し、潜在能力を引き出すことに重点を置いています。このアプローチは、社員の多様性を活かし、組織全体のパフォーマンスを向上させるための示唆に富んでいます。企業においても、採用から育成、マネジメントに至るまで、同様の哲学を取り入れることで、組織力の向上が期待できます。
因みに今でこそ青山学院の駅伝は優勝争いをするようになりましたが、ついこの間まで箱根出場すら許されなかったチームであったことを申し添えておきます。