派遣業の自己資本比率と安全性
派遣業の自己資本比率は、サービス業全体と比べてやや低いものの、40%超となっており、比較的安全性が高い業種といえるが、決して高い訳ではない。
また、職業紹介業・労働者派遣業ともに、大きな設備投資を必要としないことから、固定比率はサービス業全体と比べて低い水準にある。
自己資本比率は、高ければ高いほど財務的には安定しているといえ、50%以上あればかなり良好な状態といえ、少なくとも30%程度は確保しておくとよいと言われている。
派遣業の自己資本比率が低いとされる理由
一般に、人材派遣会社は自己資本比率が低い傾向があり、以下のような理由によるものと考えられている。
役員報酬の高さ
人材派遣会社の役員報酬は高い傾向があるため、当初から多額の資金が必要となり、自己資本比率が低くなる傾向がある。
業界の性質
人材派遣会社は、常に需要と供給が変動する不安定な業界であり、利益率も低く、資金調達が難しいとされる。
そのため、多くの会社が借入資金を活用し、自己資本比率が低い状態が続いているとされる。
長期的な投資が必要
人材派遣会社は、人材の雇用や育成など、長期的な投資が必要な業種であるため、会社が資金を確保するために、自己資本比率を低くする傾向があるとされる。
どの業種を経営するもやはり舵取りは大変であり、殊に派遣業にあっては対人が重要になることから、30人、50人、100人の壁と言われるように企業成長にとっては幾多の障壁があることは良く知られている。