同じ仕事をしている有期契約者と正社員が存在し、手当や昇給で正社員と差があるのは不当だとして、26日大阪高裁で控訴審判決がなされました。
この判決では正社員で支給されている手当について、裁判長は「正社員と差があるのは労働契約法に反する」と述べております。
具体的には2013年に施行された改正労働契約法20条が争点になったということです。
簡潔に表現するならば、契約期間の有無によって差異があるならば、格差を是正していこうという趣旨なのです。
(期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止)
第20条 有期労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件が、期間の定めがあることにより同一の使用者と期間の定めのない労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件と相違する場合においては、当該労働条件の相違は、労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度(以下この条において「職務の内容」という。)、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならない。
正社員に対して支給されている7種の手当について、
・通勤手当
・無事故手当
・給食手当
有期契約者であろうが、期間の定めのない正社員であろうが差異なく支払われるべきものとの判断。
・住宅手当
・家族手当
・皆勤手当
・一時金(賞与)
・退職金
・定期昇給
これらについては同法20条でいう「不合理」とは認められないとの判断であり、「同一労働同一賃金」については、「有期契約者と正社員との間には、異動や出向の有無などの違いがある」として適用を認めなかった。
有期契約者と正社員との間には、業務の内容、責任の程度、職務の内容、配置の変更が具体的にどのように異なるのか明示しておかねば、この判例の示すように違法であるとの判決が続くのではないだろうか。