新卒採用が活発化される時期となってきましたが、
新卒者の募集に関して、手数料を受領することが
問題となった事案がありますのでご紹介したいと
思います。
名目は手数料となっていますが、実質は受験料と
読み替えても問題はなさそうです。
インターネット動画を運営するドワンゴが2015年度
の新卒入社試験より導入・実施していた受験料制度
に対し、厚生労働省より行政指導を受けたとの報道
について、同社の見解を発表しております。
同社では、2015年度新卒入社試験より
「本気の方だけ受験してほしい」として、
首都圏の受験者を対象に入社試験のエントリー時に
2,525円を徴収する受験料制度を導入・実施し、集ま
った受験料を独立行政法人日本学生支援機構へ
寄付すると発表していました。
●応募の手数料徴収のどこが問題
厚労省の行政指導の内容としては、職業安定法第48条
の2に基づき、来年以降の受験料徴収の自主的な中止
を求める旨の「助言」を口頭のみで受け、書面等の
指導はなかったとしています。
厚労省の説明として、二点の問題があると指摘して
います。
一点目として同様の取り組みが社会的に広がるなど、
お金を払える人だけが採用試験を受けられる状態に
なってしまうことを大変危惧しているということ。
二点目として受験料の徴収が職業安定法第39条の
「報酬」にあたるのであれば徴収すべきではないと
いうこと。
この「報酬」の位置付けが明確でなく、現時点で違反性、
違法性が認められているわけではなく、社会的な影響
や問題意識の広がりに応じて法改正や規制強化を
せざるを得ない状況になるかもしれないとされています。