ある会社の就業規則では、休憩時間を原則として12時~13時までの60分、15時から10分と定められています。
ある従業員は毎日午後休憩に仕事をし続けた、会社が定める休憩をとっていないと言う。
業務が多忙で、会社が仕事をするよう指示しているわけでもありません。
この場合、実際に休憩した時間のみを労働時間から差し引いて給与計算を行わなければならないのでしょうか。
通常は休憩時間中ずっと働いていたとしても、会社が所定の休憩を定めていますので、休憩時間として給与計算を行うところです。
ただし、本人の意思で行っているからといって、放置するのではなく、会社から従業員へきちんと休憩を取るように指示・指導をすることが必要となります。
たまたま業務に集中してしまい、休憩時間をあまり取らなかったという事ではなく、恒常的にこのような状態が続いているようであれば、仕事の仕方を変えるよう本人に指導すべきでしょう。
あるいは、その人に仕事が集中している可能性もあり得ますので、労務管理上の問題が起きることも可能性として考えられます。
休憩時間をきちんと取れる環境としていくために、なぜ休憩時間に仕事を続けるような形になっているのか現状を正しく把握しながら、本人の働き方に関し指導していくことが肝要です。
今回のこの事例では指示・指導を行っていたにも関わらず、後日、休憩時間を取れていなかったとして「未払い賃金」を請求してきました。
1日10分の休憩時間を労働したものとして、賃金を支払えというもので、過去2年分を支払うことになったことで数万円の出費を強いられました。
【今回のポイント】
1.会社の指示でない場合は、本来の休憩時間で給与計算をする
2.仕事の仕方や業務量の集中が原因の可能性もある場合は状況把握を行う