パートなどに代表される非正規労働者に関しては
次の3つの大きな課題があると言われています。
●雇用が不安定
総務省の「就業構造基本調査」(2014年)によると、
非正規労働者の労働者の就業期間は約4割の者が
「3年未満」となっており正社員に比べて非常に不安
定な雇用状態であることがわかります。
不安定な雇用環境では、業務スキルのアップや仕事
へのモチベーションを高めることが難しくなるのは当然
です。
より安定的な雇用環境の整備が求められています。
●賃金が安い
一般的に非正規労働者は、昇給がなかったり、
あっても不定期で正社員に比べて少ないことがほとん
どです。
また、賞与や退職金も対象外となっていることが多く、
年齢が高くなればなるほど、正社員と賃金格差がつい
てしまう傾向にあります。
もちろん、企業経営をするうえで人件費負担の軽減は
重要な問題ですが、一方で全労働者の3割以上を占め
るまでになっている非正規労働者のこの賃金水準は、
社会全体の課題であるといえるでしょう。
●キャリアビジョンが描けない
上記に関連する課題ですが、雇用が不安定で、賃金も
少なく、そして単純な労働が多い非正規労働者を続けて
いると、自らの職業人としてのキャリアが描くのが難しく
なります。
パート・アルバイトへの教育は基本的業務遂行のための
導入教育は比較的多くの企業で行われていますが、
専門スキルを伸ばす教育などについては、
多くの企業はそれほど真剣に行っているとはいえません。
単純労働ばかりで、自らのキャリアを描けない働き方を
続け、職業スキルが高まらないまま中高年を迎える労働
者が増えることは日本全体にとって大きな課題といえます。
以上のような点が非正規労働者の現状と課題ですが、
逆に言えば、上記のような課題を解決できる労働条件や
就業環境を準備することができれば、よりよい人材を雇用
することができ、企業業績のアップにつなげていくことが
できると考えられます。