2017年に改正された職業安定法に基づくガ
イドラインでは、「適正な宣伝広告に関する
事項」が定められています。
このガイドラインには、「職業紹介事業者が
求職者に対し金銭などを提供して求職を勧
奨することは好ましくない」と明記されて
いましたが、この「好ましくない」という
表現では改善が見られなかったため、2021
年4月の指針の見直しによりさらに厳格な
規制が追加されました。
この規制では、職業紹介事業者が「お祝い
金」などの名目で、社会的に相当と認めら
れる程度を超えて求職者に金銭を提供し、
求職を勧奨する行為を明確に禁止していま
す。
これは、求職者にお祝い金を提示し、転職
を促して繰り返し手数料収入を得るなどの
行為が労働市場の需給調整機能を歪めるこ
とから、禁止されるべき行為として定義さ
れたためです。
さらに、この新しいガイドラインは、違反
した事業者に対して、紹介事業の許可要件
を見直し、事業許可の取消しが可能となる
措置も盛り込まれています。
一方で、「お祝い金」に該当しないケースも
明示され、例えば以下のような場合が該当
します。
・サービス向上を目的として、利用者にアン
ケート回答を求め、そのお礼として少数の
抽選者に500円程度の電子ギフト券を提供
する場合。
・転職フェアへの参加者確保を目的として、
来場者やブース訪問者に500円程度の電子
ギフト券を提供する場合。
今回の見直しは、求職者保護と労働市場の
健全化を目指す取り組みであり、より良い
雇用環境を創出するための重要な一歩であ
ると感じます。
今後、こうしたルールが適切に運用される
ことによって、労働市場の信頼性と透明性
がさらに向上することを期待したいです。