労働条件・環境

「男前だから許される」これでいいのか

「男前だから許される」という現象は、容姿や仕事の内容に関わらず、特定の人が少々のミスや何をしても許されるということを指します。これは、容姿や仕事の成果が優れている人に対して、周囲が寛容になる傾向があるためです。

会社における「仕事ができるから許される」現象

この現象が会社で起こるとどうなるでしょうか?以下の判例を紹介します。

上司に従わない社員の解雇

ある住宅販売会社で、「上司の指導に従わない」「顧客からのクレームが多い」などの理由で社員が解雇されました。この社員は「解雇に納得いかない!」として会社を訴えました。

仕事ができる社員の主張

この社員は、同期で最も早く昇進し、何度も会社から表彰を受けるほどの営業成績が優秀な社員でした。彼は、会社が解雇理由とした「勤務成績または能率が不良で、就業に適しないと認められたとき」には該当しないと主張しました。

裁判の結果

会社が勝ちました。この裁判では、「勤務成績や能率の不良」は「勤務態度も含めた評価とするのが当然」と認められました。つまり、営業成績は良くても勤務態度が悪いのは、この会社の解雇規定にあてはまると判断されたのです。

勤務態度の重要性

営業成績の良い社員が「仕事ができるから自分は許される」と考えて態度が悪かったり、規則を守らない場合、会社の規律が守れなくなります。これにより、他の社員のモチベーションダウンや退職を促進することにもなりかねません。

まとめ

売上は会社にとって大切ですが、評価は営業成績だけでなく「勤務態度も含めたものとする」べきです。これが会社のためだけでなく、社員のためにもなります。皆さんの職場では、成績と態度のバランスが適切に評価されていますか?

【参照】
アーバンライフ住宅販売事件
神戸地決平成13.1.12
https://www.zenkiren.com/Portals/0/html/jinji/hannrei/shoshi/07702.html

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