愛知県春日井市の社会保険労務士事務所(派遣許可申請・更新手続き・派遣・請負適正化・是正勧告対応)

偽装請負

解説:偽装請負

一般に請負は、請負人が仕事の完成を約束し、注文者がこれに対して報酬を支払うことを約束する契約です(民法632条)。
そして、請負契約においては、注文者と請負人の労働者との間には何等の指揮命令関係が成立せず、又、発注者が請負人の労働者に対して監督義務を負うことは通常ありえないとされています。

しかし、偽装請負においては、受入れ企業側は、労働者を直接指揮命令するにもかかわらずその監督責任が曖昧になっています。

そのため偽装請負にあっては、賃金が低く、労働災害の際にも受け入れ企業側の責任が曖昧となり、しかも企業側は簡単に実質上の解雇手続等をとることができ、労働者保護の要請に欠ける等の様々な問題が生じています。

さらに、この偽装請負は、その労働の実態が労働者派遣そのものに該当する場合、労働者派遣法上の重大な問題が発生します。

つまり、人材会社にあっては、労働者派遣事業についての許可ないし届出をしていなければその点だけでも重大な法令違反となります。

また、派遣事業の許可ないし届出をしている場合でも、労働者派遣法に規定する
「派遣元事業主の講ずべき措置等」
を講じていなければやはり労働者派遣法に違反することとなります。

そして、偽装請負において労働者を受け入れた企業側についても、
派遣事業主以外の労働者派遣事業者から役務の提供を受けていれば労働者派遣法24条の2に違反する場合があり、
又、「派遣先の講ずべき措置等」を行っていないもの
としてやはり労働者派遣法に違反することになります。

また、偽装請負にあっては、労働者派遣法違反のみならず場合によっては職業安定法に違反するとの指摘もあります。

偽装請負偽装出向に伴うリスク

①労働局による立入調査で是正指導を受けた場合、
1ヶ月以内に業務を改善し、また全ての業務の状態を報告し、
かつ3ヶ月以内に改善しなければなりません。

これを怠ったり、隠ぺいするようなことがあれば
書類送検され刑事罰を受ける可能性があります。

偽装請負は実質派遣とみなされるため、使用者責任を伴うことになります
 
長時間労働などにより事故や自殺などの問題が発生した場合は、
多額な損害賠償を委託・受託双方の会社に請求する判例も出ています。

③請負の場合、法人事業税の外形標準課税はありませんが、
派遣の場合、派遣料金の75%に対して0.48%の課税が
あります。偽装請負は脱税行為です。

④請負であれば期間に関する制限はありませんので長期間契約を続けることができますが、
その実態が偽装請負で、受入れ期間が派遣法上の派遣可能期間を超える場合、
その従業員に対する 直接雇用申し込み義務が発生し、
場合によっては直接雇用が強制されるおそれもあります。

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